
「エントリーしたものの全然値動きがない」
「値動きが予測した方向とすぐに逆行してしまう」
FXをやっている方で上記の様な悩みを抱えている方って多いと思います。
でも実は上記の様な悩みを抱えている方の中には「マーケットの時間帯」を考えずにトレードしてしまっている方が多いんです。
特に初心者の頃は小手先のトレード手法にばかり目がいき、トレードにおいて根本的に大事なことも考えずにテクニカルサインが出れば闇雲にトレードしてしまいがちです。
それでは一向にパフォーマンスは上がりません。
ですがテクニカル手法にプラスアルファとして「時間帯」という概念を取り入れながらトレードするとパフォーマンスは飛躍的に向上します。
何故かと言うとFXにおいては時間帯が物凄く重要なファクターになるからです。
「時間帯を考える」というのは言わば相場分析における環境認識の分野になります。
特にデイトレやスキャルピングといった短期的なトレード手法でサクッと稼ぎたい人にとっては重要です。
ですから今回はFXにおける時間帯についての概念を詳しく解説していきますので最後まで読んでみてください!
- FXにおける時間帯の重要性
- 時間帯を考慮した一日のトレードの流れ
- 狙い目の時間帯
- 自分のトレードスタイルに合った時間帯
目次
FXは24時間トレード可能
FXのメリットは何と言っても「24時間取引可能」という部分です。
ではそもそも何故24時間取引が可能なのかと言うと世界中にあるいくつかの為替市場が時差によるズレによって常にオープンしているからです。
上記の画像の様にアジア市場が終わったらヨーロッパ市場がオープン、次にニューヨーク市場がオープンしてまたアジア市場、といった感じで24時間の流れの中で常にどこかしらのマーケットが開いています。
ですから9時から15時の間しか取引できない株式投資などと比べるとFXは時間的な自由度が高まります。
特に最近はその日のうちにエントリーから決済を行うデイトレや数分単位で取引を完結させるスキャルピングという手法が流行っていますね。
株式投資の場合は日中にチャートが見れないとなるとどうしても数日、数週間、あるいは数か月といったような長期的にポジションを保有する投資スタイルで臨まなければいけなくなってしまいます。
一方(為替市場)FXの場合は24時間取引可能なので日中が忙しい方でも夜の空いた時間だけを利用してトレードするといったことが可能になってきます。
それによって上述したような短期的なトレード手法を行うことが可能になってくるので長期保有によるリスクも軽減できることになります。
ただし24時間トレードできるとは言っても常にトレードチャンスがあるわけではありません。
それぞれのマーケット、あるいは時間帯毎の値動きには「一定の特徴や癖」があるのでそれらを把握しないまま闇雲にトレードしてもトータルで勝つことは難しくなってきます。
例えばどんなに優秀なテクニカル手法があったとしてもそれらを加味していないような手法であれば最大限の効果を発揮できないと思ってください。
ですが逆に言うとFXは時間帯による値動きの傾向さえ気を付ければそれに合わせた手法を行うことで勝率が劇的にアップします。
裁量トレードの一番の強みはそこにあるといっても過言じゃありません。
ですから小手先のテクニックを覚えるよりもまずはそういった本質的な部分を頭に入れながらトレード戦略を組み立てることが大事です。

FXの場合は取引所ではなく金融機関同士のネットワークを介して為替取引を行っています。
ですから24時間トレードできるとは言っても土日は金融機関が休みになってしまうので取引を行うことはできません。
時間帯が重要な理由
何故FXのトレードにおいて時間帯が重要なのかと言うとそれは「為替相場が動く要因」にあります。
そもそもFXというのはそれぞれの国の通貨の相対的な貨幣価値を取引する行為になります。
要するに通貨の背景にある国の「信頼度数」を取引対象としているようなものなのでその信頼度数のバランスがどちらかに傾くと為替は大きく動きます。

そしてその信頼度数を図るための材料として各国の株式市場の動向や景気の動向を表す指標などがあります。
トレーダーは上記の様な材料を基に売り買いを行います。
ですから株式市場がオープンしている時間帯や経済指標が発表される時間帯は必然的に相場参加者が増えることになり、通貨の流動性が高まることになります。
逆に上記の時間以外は何か突発的なニュースでもないかぎり値動きが活発に動くことはあまりありません。
なので自分が取引の対象とする通貨の流動性が高い時間帯を狙ってトレードすることがFXにおいては必須になってきます。

各国の景気の動向や株式市場などはファンダメンタル的な要素になりますが相場の大きな流れは上記の様なファンダメンタル要素で決まってきます。
一方でテクニカル手法というのはあくまでもファンダメンタル要素で決められた相場の流れに対しての売りと買いの入りやすいポイントを探る手法になります。
ですから相場の長期的な流れはファンダメンタル要素、短期的な流れはテクニカル要素が大きく関係してくるということになります。
マーケット毎の値動きの特徴や癖
まず、大別すると為替相場には「オセアニア・東京・ロンドン・ニューヨーク」といった4つの主要なマーケットがあります。

それぞれのマーケット毎に対象となる通貨ペアの流動性が高まります。
中でも東京・ロンドン・ニューヨークは為替相場における3大市場と呼ばれていてトレーダーの注目度が高く、値動きが活発になりやすい時間帯になります。
ということでそれぞれのマーケット毎の値動きの特徴や癖を順番に解説していきます。
オセアニア時間の特徴や癖

「日本時間の6時~8時」はオセアニア市場の値動きが活発になる時間帯です。
一日の為替相場の流れにおいて世界で一番早くオープンするマーケットですね。
オセアニア市場はニュージーランドのウェリントン市場から始まってオーストラリアのシドニー市場がオープンします。
ですから主に「豪ドル(AUD)」や「NZドル(NZD)」といった通貨ペアを中心に流動性が高まります。
ただし、為替相場全体においての取引高は少ないので経済指標のニュースなどを除けば通常はほとんど値動きがありません。
ですが例外として為替相場がクローズしている週末に大きなニュースなどがあれば月曜のオセアニア市場で価格が乱高下して始まる場合があります。
これを「窓開け」と呼びます。

窓開けは金曜日の終値から大きく剥離してレートがスタートする現象でこの空いた隙間を「ギャップ」と呼んだりもします。
そしてこの窓空けが起こるとレートがギャップを埋めにいく傾向があるのでそれを狙ったトレードを仕掛けるトレーダーもいます。
その手法を「窓埋めトレード」と呼びます。
多くの投資家がこのギャップを意識してオセアニア時間に仕掛ければレートが大きく動くこともあります。
ただしきちんとした手法がないまま安易に窓埋めトレードをするのは危険です。
何故かと言うと窓が埋まらない事も多々ありますし埋まるとしてもどのタイミングで埋まるかがわからないからです。
ですから窓開けは只の一つの傾向であると考え、自分のテクニカル手法と合致した場合だけその傾向を利用してトレード戦略の中に組み込む、といったくらいでちょうどいいと思います。
因みにオセアニア時間は基本的に取引量が少なくなるのでその時間はほとんどの証券会社でメンテナンス時間に充てられていることが多いです。
そのためスプレッドが広がったりスリッページが起きる可能性が高くなるので基本的にはこの時間をメインにトレードするのは避けた方が無難です。
- 一日の為替相場の中で最も早くオープンする市場
- 市場参加者が少なく流動性が低い
- 週末のビッグニュースで価格が大きく乱高下する可能性がある
- スプレッドが広がりやすくスリッページが起きやすい
東京時間の特徴や癖

「日本時間の9時~15時」は日本や香港、シンガポールといったアジア系の市場が活発になる時間帯です。
中でも東京市場は世界の3大市場の一つに数えられているので一日の為替相場の流れにおいては値動きが活発になり始めるポイントになります。
特に9:55に決まる「仲値」は重要になってきます。
仲値というのは銀行などの金融機関が対顧客に対する取引レートを窓口に公示する際に参考にするレートになります。
外貨を必要とする企業は為替取引を行う際に上記の公示されたレートを基にその日の取引(両替や決済)を行うことになります。
つまり仲値が決定されると企業が銀行から外貨を買う動きが強くなるので銀行としてはそれまでに外貨を集めておく必要があります。
ですからこの仲値が決まる9:55までは上記の実需取引の関係で銀行の円を売って外貨を買い集めるという行為により、円安ドル高の動きになりやすいといった特徴があります。
例えば以下はある日のドル円チャート(USD/JPY)の画像でちょうど東京市場がオープンしてから仲値が決まるまでの時間帯のものです。

上記を見てもらえばわかる通り9:00に東京市場がオープンしてから仲値が決定される9:55分まではドル円が上昇しています。
その後仲値が決定された後レートは下落しています。
まさに仲値が意識された値動きになっていますね。
特に「ゴトービ(五十日)と呼ばれる5の倍数に当たる日」はその値動きが顕著にみられることがあります。
理由は昔からの慣習で大口の決済をゴトービ(五十日)に行うことが多いからです。
ですから東京時間の値動きに関しては上記の様な実需取引が関係した値動きになりやすいといった傾向を把握しておく必要があります。
そして東京時間の全体的な流れを考えると実はほとんど値動きは限定的になります。
何故かと言うと取引高の大多数を占める欧米の投機筋が時差の関係でこの時間は市場に参加してくることがほとんどないからです。
そのため、取引高を考えても世界全体の5%程度しかないので大きくレートが動くことはあまりありません。
ですから一定のボックスで値動きが収まるレンジ相場になりやすいといった特徴もあります。
特に前日のニューヨーク市場でできた高値や安値を気にした値動きになりやすいです。
ですから実際にトレードする場合は前日のニューヨーク市場でできた高値や安値付近からのカウンタートレード(逆張り)が最も効率よくなります。

ただし日本の株式市場や経済指標、その他ファンダメンタルの要因によってこの時間に円絡みの通貨が大きくレートが動くこともあります。
その場合はトレンドフォローを狙ったトレードも有効になる場合があります。
ですから例外として前日のニューヨーク時間に作った高値や安値を大きく超えてくるようなことがあれば抜けた方向に順張りを狙ったトレードを仕掛けるのも効果的です。
流動性が高まる通貨は基本的には「ドル円(USD/JPY)」を始めとする「ユーロ円(EUR/JPY)」、「ポンド円(GBP/JPY)」、「豪ドル円(AUD/JPY)」といったクロス円と呼ばれる円絡みの通貨ペアになります。
ですからユーロドル(EUR/USD)やポンドドル(GBP/USD)といったドルストレートと呼ばれる通貨をこの時間にトレードするのは基本的には避けた方が無難です。
ただしオーストラリアなどの経済指標の発表がある場合は豪ドルドル(AUD/USD)などの通貨ペアも動くことがあります。
- 実需取引が中心
- 仲値(9:55分)の時間までは円安ドル高になりやすい
- 値動きはほとんど限定的
- 基本的には円絡みの通貨を中心に前日のニューヨーク時間の高値と安値で逆張りするのがベスト。
- ニューヨーク時間の高値と安値を越えてきたら順張り
ロンドン時間の特徴や癖

日本時間の16時くらいから夜中の1時くらいまではヨーロッパ系の市場が活発になるのでヨーロッパ(欧州)時間とも呼ばれています。
この時間帯に占める取引高は世界全体の40%程もあり、トレンドが発生しやすい時間帯になります。
中でもロンドン市場は世界の3大市場の一つに数えられていますが、東京市場と比べて値動きがかなり活発になります。
流動性が高まる通貨はユーロ(EUD)やポンド(GBP)といった欧州系の通貨を絡めた通貨ペアになります。
ロンドン市場がオープンしてから2~3時間くらいは値動きが最も活発なのでこの時間の値動きにうまく乗れれば大きく稼ぐことも可能な時間帯です。
逆にロンドン市場がオープンしてから2~3時間が経過してくると次にオープンするニューヨーク市場を見据えた値動きになってきます。
それまで活発だった値動きに徐々に手仕舞いが入ったりして値動きが落ち着いてきます。(時間にすると19時から20時くらい)
ですからロンドン時間にトレードする場合はロンドン市場の出だしの値動きを狙ってトレードすることが最も重要になります。
特に東京時間に作った高値や安値には注目しておきましょう。
東京時間の高値や安値をブレイクアウトすればストップロスを巻き込みそのまま一方向に動くことがよくあります。

ただ、ブレイクを狙うにしてもダマシも多くなるのがロンドン時間の特徴でもあります。
どういうことかというと一度ブレイクしたかの様に見えて勢いをつけて逆方向にレートが大きく動いていくこともよくあります。
このような値動きは「ストップロス狩り」と言われていて機関投資家が東京時間にできたストップロスを利用して仕掛けを行うことでこのような値動きになることが多いと言われています。
ですから東京時間の高値や安値を越えてブレイクでエントリーする場合はストップを短めにして、利益確定の決済も早めにしておくのが安全です。
- 値動きが活発になりトレンドが発生しやすい
- ロンドン時間のオープンから2~3時間が重要
- 東京時間のストップロスを巻き込む
- ダマシも多い
- ロンドン時間のオープンの値動きに注目しておく
- ダマシを警戒しながら東京時間の高値と安値を越えてきたら順張り
- 19時以降は手仕舞いの動きに合わせた短期的なトレードもあり
ニューヨーク時間の特徴や癖

日本時間の21時くらいから6時くらいまではニューヨーク時間と言われています。
この時間になると世界経済の中心であるアメリカの投資筋がマーケットに参加してきます。
併せて21時から2時くらいまではロンドン時間のオープンとも被っているためニューヨーク時間は一日の中で最も為替相場が盛り上がりを見せる時間帯になります。
テクニカル的な面から見ても特別なファンダメンタル的要素がなければほとんどこのニューヨーク時間の値動きが他の時間帯の市場の値動きにも大きく影響を与えています。
ですからFXトレーダーにとってはニューヨーク時間の値動きの動向を分析することが最も重要になってきます。
因みに値動きの特徴は東京時間がレンジ、ロンドン時間がブレイクと考えるとニューヨーク時間は比較的「なんでもありの時間帯」になります。

ですから他の市場の時間帯の傾向などとは違ってあまり先入観は持たずにトレード戦略を組み立てるのが有効です。
個人的にはファンダメンタル的な要素が値動きに影響を与えるのが一番強いのがニューヨーク時間だと思ってます。
それだけアメリカの経済動向というのは世界的に注目されているということです。
特にアメリカの経済指標の発表などには注意しておきましょう。
月に一回の第一金曜日に発表される「米雇用統計」や「FOMCの声明発表」に関しては一気にレートが大きく動く可能性があるのでその前後は様子見したほうが無難です。
因みにニューヨーク時間に流動性が高まる通貨は基本的には「米ドル(USD)」になりますがほとんどの通貨で流動性が高まります。
ですが米ドル(USD)に関連したファンダメンタル的な要素が強いとクロス円なんかは難しい動きをすることもあるので注意が必要です。
ですから特にトレードする通貨ペアにこだわりがないのであればドルストレートやドル円などの通貨ペアをトレードすることをおススメします。
実際にトレードする場合は重要な指標発表がある日を除けばニューヨーク市場のオープン(夏時間だと21時半、冬時間だと22時半)前後の動きに合わせてテクニカル指標通りにエントリーしていきます。
ただし日本の仲値にあたるロンドンの仲値(ロンドンフィックス)が決まる時間(夏時間であれば24時ごろ、冬時間だと1時頃)は流れが一気に変わることもあるので注意が必要です。
基本的には夜中の2時前後になると値動きが落ち着くのでデイトレやスキャルピングなどの短期トレードであればそれまでにはポジションを決済しておきましょう。
- 一日の為替相場の流れの中で最も値動きが活発になる時間帯
- 様々な値動きの展開が予想される
- ファンダメンタル要素が強い
- ほぼ全ての通貨ペアに影響を与える
- オープンの値動きに注目しておく
- ロンドンフィックスの動きに注意する
- 夜中の2時前には決済しておく

ですからその場合はトレンド方向に短期足の浅い押しや戻りを狙って細かくスキャルピングで稼ぐのも有効です。
夏時間と冬時間の違い
日本にはあまり馴染みがありませんが欧米では「サマータイム」というものがあります。
サマータイムというのは太陽の日照時間が長い時期に時間を有効活用しようという取り組みのことで「デイライトセービングタイム」とも呼ばれています。
具体的に何が変わるのかと言うと、国によって多少の違いがありますがサマータイムを取り入れている国はおおよそ3月から11月の間の期間は標準時間が1時間早まることになります。
従って、サマータイムの間はマーケットのオープン時間も1時間早まるようになっています。
例えばヨーロッパのロンドン市場であれば、サマータイム時(3月の最終日曜日~10月の最終日曜日)のオープン時間は日本時間で16時から24時、それ以外の冬時間は17時から25時となっています。
アメリカのNY市場の場合はサマータイム時(4月第1日曜日午前2時~10月最終日曜日午前2時まで)のオープン時間は日本時間で22時から6時、それ以外の冬時間は23時から7時となっています。
逆にウエリントンやシドニーなどのオセアニア市場は南半球なのでサマータイムが10月から3月の間になっています。
上記のサマータイムは冬時間と比べると投資家がマーケットに参加してくるタイミングが少し早まります。
ですからマーケット毎のオープンの動きと言うのは為替相場の値動きを予測する上で非常に重要なので市場ごとにサマータイムの時期を把握しておきましょう。
また、オープンだけではなくクローズの時間も変わってくるのでマーケット毎の手仕舞いが入ってくるタイミングも夏時間と冬時間で多少変わってきます。
マニアックな話になりますがMT4などのチャートソフトを使っている場合は4時間足の確定時間なども変わる場合があるので終値で相場を見る人はその辺も把握しておきましょう。

曜日別の特徴も考慮する
FXをやる上で時間帯だけでなく、実は曜日毎の値動きの特徴もあります。
一週間という流れの中で為替相場がどのように動きやすい傾向があるのかも把握しておきましょう。
様子見相場の月曜日
まずは週初めの月曜日ですね。
月曜日は基本的に為替相場があまり動かない傾向があります。
というのも東京時間のオープン時間とロンドン時間の序盤に関しては世界経済の中心であるアメリカが時差の関係でまだ日曜日だからです。
ですから基本的に流動性が低く、持ち合い相場になることが多い曜日だということが言えます。
また、週初めの月曜日がどのように動くかによってその先の展望を決める、というトレーダーも多くいるので月曜日は相場参加者が少なくなる傾向があります。
そのため、ブレイクアウトでエントリーしてもすぐにレンジの中に戻ってきてしまう、などといった値動きになりやすいので大きな時間足のトレンドフォローにはあまり向かない曜日になります。
ただ、大きく窓を開けてスタートした場合はボラティリティが上がるのでそれを狙ったトレーダーも相場に参加して流動性が高まる場合があります。
ですからしっかりとオープンの値動きには注意して相場を観察しておきましょう。
トレンドが出やすい火曜日、水曜日、木曜日
火、水、木は一番トレードしやすい曜日と言えます。
特に火曜日は月曜日に様子見をしてトレードしなかった投資家が一斉に参加してくるので流動性も高まります。
また、週単位でトレードしている人は火曜日の値動きに上手く乗っかってそのまま週末までポジションを保有したいと思っています。
ですから比較的長期的な時間足を見て参加してくるトレーダーも火曜日は多いのでトレンドが発生しやすい曜日だと言えます。
次いで水曜日と木曜日といった感じです。
ただし短期的に見れば火曜日にトレンドが発生しても水曜日や木曜日は反転の値動きになったりすることもしばしばあります。
とはいっても基本的には素直に動いてくれる事が多い曜日なので火、水、木はトレードは一番やりやすい印象です。
魔の金曜日
金曜日はなんといっても値動きが予想しづらい曜日になります。
というのも金曜日はポジションの調整があるからです。
土日は基本的にトレードできたいため、週末に起きた突発的なニュースで思わぬ損失を被らないためにも利益を確定しておく、といった流れから金曜日はポジションの調整が行われることが多い曜日になります。
これは個人投資家だけでなく、機関投資家なども含まれます。
上述した理由から例えばブレイクアウトを狙ってエントリーしてもすぐにレートが戻ってきたりトレンドが発生したと思っても短期的な値動きで終わってしまいがちです。
併せてそのような理由から相場に参加することを控えるトレーダーが増えるのでますます商いが薄くなりやすくなります。
そのため、短期的な乱高下が多くなったりと相場が荒れやすくなってしまいますのでトレーダーの間では「魔の金曜日」と呼ばれたりもしています。
ですからもしトレードするのであれば大きな利益は期待せずに金曜日はスキャルピングなどの超短期決済で勝負するのが有効になります。
ただし金曜日はアメリカの雇用統計などの経済指標が発表される曜日でもあります。
もし雇用統計などで市場予測との大きなギャップが生まれた場合はニューヨーク時間のクローズまでひたすら一方向に動くこともあるので金曜日は重要指標などがないかも事前にしっかりチェックして相場に臨みましょう。
商いが薄い時はトレードを見送るべし
ここまで時間帯別、曜日別の相場の値動きの傾向を解説してきました。
併せて覚えておくといいのがFXにはトレードを控えた方がいい時があるということです。
それは表題にある通り「商いが薄い時」になります。
商いが薄いと相場に参加してくる投資家が少ないので、機関投資家の仕掛けなどにより突発的な動きが多くなって値動きが安定しないからです。
ということで以下で解説している時は特別な理由がない限りはトレードを控えましょう。
各国の祝日
土日と違って祝日はFXのトレードは可能ですが基本的に株式市場がオープンしていないので商いが薄くなります。
ですからその時間帯はトレードを避けた方が無難です。
特にニューヨーク市場がオープンしない時は前後の東京時間やヨーロッパ時間などの商いも薄くなるので注意しましょう。
逆に日本の祝日であれば東京時間などのトレードは避けた方が無難ですがその後のロンドン市場やニューヨーク市場がオープンしているのであればトレードは可能です。
トレードする前に事前にしっかりと各国の祝日を調べておきましょう。
夏のバカンスやクリスマス休暇
欧米では夏になると長期休暇(バカンス)を取る人が多いので7月、8月は商いが薄くなります。
いわゆる「夏枯れ相場」と言いますが特に8月の半ば頃は日本においてもお盆のシーズンに入りますので一年間の相場の流れの中では微妙な値動きになりがちです。
また欧米ではクリスマスの時期も前後に休暇を取る文化があるので商いが薄くなります。
加えて12月は決算を控えている企業も多いので損益が大きくブレることを嫌って実需の取引自体も少なくなります。
そしてクリスマス以降は年末に向けて更に値動きが消極的になりがちなので12月も比較的一年間の相場の流れの中では微妙な値動きになりがちです。
「休むも相場」といった格言がありますが商いが薄いなと思った時は思い切ってトレードを休むのも手です。
市場参加者が少ないとトレンドが発生しづらいですし商い薄を狙って機関投資家が仕掛けたりしてくるので値動きも難しくなりがちです。
そんな時に無理にトレードしても損失を増やしてしまうだけなのでしっかりと機能している相場だけを狙ってトレードをしていくことが大事です。
おススメの時間帯
ここからはトレードスタイルに合わせたおススメの時間帯や市場におけるトレード手法の一例を解説していきます。
スキャルピングの場合
スキャルピングの様にエントリーしてから決済するまでポジションを保有するのが数分単位のようなトレードの場合はロンドン時間やニューヨーク時間がおススメの時間帯になります。
理由はやはり上記の時間帯は相場に参加してくる機関投資家やトレーダーが多いので取引が活発になり、ボラティリティ(値動きの幅)が高くなるからです。
逆に相場参加者が少ないと取引が閑散とし、値動きの幅が小さくなるので通貨によってはスプレッド負けしてしまうこともあります。
ですから数分単位で決済を繰り返すような短期的なトレードにはロンドン時間やニューヨーク時間が向いています。
ロンドン時間はオープンから2~3時間くらい(16時くらいから19時くらい)の時間が一番狙い目です。
東京時間につけた高値や安値をブレイクするような動きがあればストップロスを巻き込んで大きく動くので短時間でサクッと稼げます。
ニューヨーク時間は21時くらいからのオープンの値動きとロンドンフィキシングの24時前後の値動きが狙い目です。
重要な経済指標などがある場合を除いて上記の時間帯は最も参加者が多くなるので15分足や5分足、あるいは1分足といった短いローソク足を使った短期的なトレード手法でも十分に利益を抜くことができます。
因みにロンドン時間の場合は日中働いていて忙しい方はトレードするのが難しい時間帯かもしれません。
ただニューヨーク時間であれば値動きが活発になるのが基本的に21時を過ぎたあたりからですのでサラリーマンの方でも一般的な帰宅時間であればトレード可能な時間だと思います。
デイトレードの場合
デイトレードの様にポジションを保有してから数時間後に決済をするようなトレード手法なら東京時間がおススメです。
理由は東京時間の場合、前日のニューヨーク時間につけた高値や安値で反転することが多いからです。
ですから週足や日足といった比較的長い時間足で長期的な流れを読みながら前日のニューヨーク時間の高値や安値で反転したらエントリーしていきます。
うまくいけば上記が押しや戻りの天井や底になるので数時間単位でポジションを保有することができます。
ただ気を付けたいのはロンドン時間の値動きになります。
ロンドン時間は結果的に長期的なトレンドの方向に動いたとしてもストップ狩り目的で一度東京時間の安値や高値を試してくることがあります。
ですからその場合は慌てて損切するのではなく、多少ストップの幅を広くしてどっしりと構えるのがおススメです。
因みに東京時間はボラティリティ(値動きの幅)が低いので、短期決済を狙っても通貨によってはスプレッド負けしてしまう可能性があります。
特に海外口座を使用している場合はスプレッドが高いので東京時間は基本的にはスキャルピングにはあまり適していないと言えます。
スイングトレードの場合
数日、あるいは数週間単位といったように長期的にポジションを保有する手法なら特に時間帯や市場を気にする必要はありません。
理由はスイングの場合、時間帯というよりも価格帯が重視される傾向にあるからです。
価格帯というのは例えばドル円で言うと120円、121円、と言ったようなラウンドナンバー(キリバン)のことです。
何故上記の様な価格帯が重視されるかというとスイングの場合は目線がある程度長期になるので時間帯による市場毎の流動性で上下するようなレートの幅はあまり気にならないからです。
ですからスイングの様に週足、あるいは日足などをメインに使ったトレードをする場合は時間帯ではなく、上記の様な価格帯にあらかじめエントリーや決済の指値、あるいは逆指値注文を入れてトレードするのが有効です。
まとめ
今回はFXにおけるトレードの時間帯について記事を書いてみました。
FXは時間帯を考えながらトレードすることでパフォーマンスが飛躍的に向上します。
特にそれそれの市場毎の流動性が高くなる時間を把握しておくことは非常に大事です。
市場参加者が少なく、取引高が少なければいくらテクニカル指標でサインが出たとしても相場は動きません。
逆に市場参加者が多く、流動性の高い時間帯であればテクニカル指標も意識され、相場は動きやすくなります。
ですから常に時間帯を意識しながらトレードする癖をつけていきましょう。

FX専業トレーダーのけんパパです