

FXのトレードを行う際に、
「何を根拠にエントリーすればいいかわからない」
「インジケーターが全然機能しない」
なんていう悩みを持っている人が多いと思います。
そんな方にうってつけのテクニカル分析を紹介します。
その名も「プライスアクション」です。
プライスアクションというのは欧米のトレーダーに最も注目されているテクニカル分析の一つです。
例えばインジケーターのような只のツールではなく、チャートに現れる投資家心理を利用したマーケット手法になります。
ですからプライスアクションを覚えればそれだけでエントリー根拠として使えます。
ということで今回はそんなプライスアクションについて徹底的に解説していきますので最後までご参照ください。
- プライスアクションを学びたい人
- エントリーの根拠に自信が持てない人
- インジケーターに頼ってる人
- 投資家心理を知りたい人
- 投資初心者の人
プライスアクションを覚える前に…
プライスアクションを解説している本やブログなどは色々ありますがトレーダーによって解釈の仕方が少し変わったりします。
ですから名称や形を丸暗記するのではなく、
「このような形になったらどういう相場心理が働くのか?」
というマーケットの本質に基づいて考えながら覚えるようにするのがおススメです。
プライスアクションとは?
プライスアクションというのはテクニカル分析においてレート(価格)が重要なポイントに差し掛かかった時にどのような反応をしたかによって今後のレートの推移を予測する手法です。
つまりインジケーターなどとは違い、単に価格の平均を図るための手段ではなく、実際に投資家が行った行動に基づき値動きを予測するので大衆心理を読み解くための非常に信ぴょう性の高い強力な武器となります。
そしてプライスアクションを読み解くには通常「ローソク足」を使うのが一般的です。
何故かと言うとローソク足は情報量が多く、視覚的にわかりやすいので投資家心理を一瞬で判断できる優れたツールだからです。
ですからプライスアクションを語る上でローソク足は欠かせないツールとなります。
ですがMT4やその他の証券会社が提供しているツールにはレートの動きを表示する際にローソク足以外にもいくつかの表示方法があります。
ですからローソク足の解説をする前にその他の表示方法と対比して考えるとローソク足に対する理解が深まりますのでまずはチャートにおける値動きの表示方法をそれぞれ解説していきます。
チャートにおける値動きの表示方法
テクニカル分析を使って値動きをチャートに表示させる際、通常MT4などのチャートソフトでは以下の3つの表示方法があります。
- ラインチャート
- バーチャート
- ローソク足
それぞれ特徴がありますので順番に説明していきます。
ラインチャートの特徴
ラインチャートは価格の「終値」を一本のラインに繋げて値動きに連続性を持たせたものになります。

一般的に相場で重視される価格の種類として「始値」「終値」「高値」「安値」というものがあります。
中でもその時間軸においての最終的な価格動向を知る上で非常に重要なのが「終値」という価格です。
なぜ「終値」が重要なのかと言うとそもそもテクニカル分析という手法は過去の値動きから未来の値動きを予測するものだからです。
値動きには連続性があり、未来の値動きは過去の値動きに依存する傾向があります。
その中でも特に影響を与えるのが過去の直近の値動きです。
そしてその直近の値動きを表しているのが「終値」だからです。
例えば日足を例にとってみると翌日の値動きを予測するためには前日の値動きを分析しますよね?
その前日の値動きの中で時間軸を考えると翌日の値動きに一番近いものは前日の「終値」となります。
だから値動きを予測するには未来の値動きに最も近い過去の「終値」に注目します。
その終値だけを繋げてチャートに表示することで重要な価格動向を視覚的にシンプルに捉えられるのがラインチャートになります。
ただしシンプルが故に情報量が少なく、様々な投資家心理を知りたい方にとっては少し物足りなくなります。
ですから週足などの長期的な時間軸でじっくりと腰を据えてチャート分析を行うようなスイングトレードなどには向いていないかも知れません。
逆に5分足や1分足などの時間軸でトレードする、スキャルピングなどの短期的なトレードには向いていると思います。
理由は短期的なトレードでは短い時間での一瞬の判断が肝になるからです。
判断する時間が短い場合、情報量が多いと判断材料も多くなり、逆にそれがノイズとなってトレードの邪魔をしてしまう可能性があります。
ですからより短い時間でチャートをシンプルに捉える必要があります。
その点に関して言うとラインチャートは余計な情報を省いて終値の動向を視覚的に一瞬で判断できるので短期的なトレードに向いていると思います。
因みにラインチャートを採用しているFXの商材では以下の様なものがあります。
上記はサインツール系の商材なんですがロジックにラインチャートを採用していてサインの精度が高く、ツイッターなどのSNSを見ても評判がかなり良く、実際に利益を出しているトレーダー数多くいるのでおススメです。
ということでちょっと話がそれましたがラインチャートの特徴をまとめると、
- 相場において最も注目される終値を重視している
- 視覚的に値動きをシンプルに捉えられる
- 値動きに連続性があり、チャートに窓が空かない
という感じです。
逆にデメリットは、
- 情報量が少ないので細かい分析ができない
という感じです。
ラインチャートはスキャルピングの中でも1分足を使うような超短期的トレードをする人には向いていますが比較的長期目線で相場分析をする人には向いていない表示方法だと思います。

バーチャートの特徴
バーチャートはその名の通りバー(棒)の様な形状をしている価格の表示方法です。

バーチャートには3本値と4本値があり、3本値の場合は「高値」、「安値」、「終値」、4本値は「高値」、「安値」、「始値」、「終値」が表示されます。
基本的にはMT4などのチャートソフトの場合、デフォルトで4本値のバーチャートになっています。
バーの構成は縦のバーの上の部分が「高値」、下の部分が「安値」、左側に突き出たバーの部分が「始値」、右側に突き出たバーの部分が「終値」になっています。
始値よりも終値が高く終わった場合を陽線、始値よりも終値が低く終わった場合を陰線と呼びます。

欧米ではこのバーチャートがよく使われてます。
バーチャートの最大の特徴はそのシンプルな形状から高値と安値が見やすく、トレンドラインが引きやすいと言うことです。
トレンドラインというのは高値や安値同士を結んで斜めにラインを引き、そのラインを上値とした抵抗線、あるいは下値として支持線に見立てる分析方法です。


バーチャートは高値と安値がパッと見て視覚的にわかりやすいのでチャートに上記の様なトレンドラインを引いて相場を分析したい人にとっては有効に使える表示方法になります。
そしてバーチャートのもう一つの特徴として値動きを無機質に捉えることができ、トレーダーにとって大敵である値動きの揺さぶりによる心理的なダメージが軽減されると言われています。
何故かと言うとこれは後述するローソク足と比較してということですがバーチャートはローソク足と比べると値動きによる形状の変化があまりありません。
一方でローソク足の場合はトレード中も目まぐるしく形状が変化します。
そうなると、値動きに慣れていないトレーダーは視覚的な情報からエントリー後に不安になってしまったり自分のポジションを疑ってしまったりということがあります。
人によってはそれが原因で耐えられずに根拠のない損切や利確といった決済行動をとってしまう、なんてこともあると思います。
その辺の心理的な部分に影響が少ないのが形状変化の少ないバーチャートのメリットになります。
ですから値動きをついつい追いかけて一喜一憂してしまう人にはバーチャートは向いているかもしれません。
以上がバーチャートの最大の特徴です。
ですがバーチャートにもデメリットはあります。
それは始値と終値が見づらいという事と、陽線と陰線の区別がつかないので相場の波が捉えづらいということです。
まぁ始値を重視している人はあまりいないと思いますが終値を重視しているトレーダーは多いのでその辺はバーチャートだとかなり不便に感じます。
例えば終値に水平ラインを引く場合なんかはバーチャートだとかなり使いづらさを感じます。

ですから終値を重視するトレーダーにはバーチャートは向かないと思います。
ということでバーチャートの特徴をまとめると、
- 高値と安値が見やすいのでトレンドラインを使った相場分析に有効
- 心理的なダメージが少ない
という感じです。
逆にデメリットは、
- 始値や終値が見づらい
という感じです。
上述したようにトレンドラインを引いて相場分析するのであればバーチャートは使いやすいとは思いますがそれ以外は視覚的に見づらいですしあまりメリットを感じない表示方法だと思います。
ローソク足の特徴
ローソク足はその名の通りろうそくの様な形状をしている価格の表示方法です。

ローソク足は一本のローソク足に「始値」・「終値」・「高値」・「安値」という4つの値動きが表現されています。
始値から終値の部分を「実体」、高値や安値の部分を「ヒゲ」と言います。(上の部分は上ヒゲ、下の部分は下ヒゲと言う。)
バーチャートと同じく始値より終値が高い場合を「陽線」、始値より終値が低い場合を「陰線」と言います。

ローソク足の特徴の一つとして瞬間的に一本の足から多くの情報が読み取りやすいというメリットがあります。
例えば上昇中に長い上ヒゲが出たり、その逆で下降中に長い下ヒゲが出て足が確定すれば一目でその価格帯に強い抵抗があったことがわかります。

他にもそれまでと比較して大きいローソク足(大陽線や大陰線と言う)が出現すればその方向に対する値動きの力強さがわかったりします。

そしてもう一つのローソク足の特徴が、一本の足だけでなく、いくつかのローソク足の組み合わせやパターンでも投資家心理がわかるということです。
これらについて詳しい使い方は後述しますがこのようにローソク足を分析するだけでもある程度の投資家心理がチャートから読み取れます。
ですからローソク足はまさに投資家心理が如実に表現された価格表示だと言っても過言ではないと思います。
ですがその反面、情報量が多く、投資家によってはトレードに迷いが生じてしまうこともあると思います。
ですから値動きをシンプルに捉えたい人はラインチャートやバーチャートの方が向いていると思います。
ローソク足の特徴をまとめると、
- 情報量が多い
- 視認性が高い
- パターンなどが研究されているため、ローソク足だけである程度大衆心理が読み取れる
という感じです。
逆にデメリットは、
- 情報量が多いのでトレードに迷いが生じる
という感じです。
以上の点から3つの中でローソク足は最もポピュラーで多くの投資家が使っていることからよっぽどの理由がない限りはローソク足を使うことをおススメします。
ということで次にローソク足の形やパターンから投資家心理を読み解く方法を詳しく解説していきます。
ローソク足の形やパターンで投資家心理を読む
ローソク足を使った相場分析は大別すると二通りあり、日本生まれの「酒田五法」と欧米生まれの「プライスアクション」というものがあります。
どちらもローソク足における相場分析において投資家心理を読み解くには非常に優れた方法です。
但し酒田五法はどちらかというと株を対象とした分析手法になります。
もちろん株式市場もFXと同じで値動きを対象としたマーケットですから基本的な投資家心理は一緒です。
なのでどちらのテクニカル分析においても共通するものはあります。
ですがそれぞれのチャートにはマーケット特有の値動きが現れます。
代表的なのが「窓空け(ギャップ)」と言われる値動きです。

株式市場はFXと違い、24時間マーケットが開いているわけではありません。
そうなると前日の値動きと翌日の値動きに大きくギャップが生まれることがあります。
要するにチャートは連続した値動きを記録しますが取引時間外は記録しないのでそこで多くの注文が入れば翌日のチャートに表示される始値と前日の終値との間に空白が生まれます。
その空白が生まれる現象を窓空け(ギャップ)と言いますが酒田五法ではそのような現象を前提としている手法がいくつかあります。
一方プライスアクションの場合は同じ罫線分析でもそのような特性を前提としていないためFXではプライスアクション分析の方が向いていると言えます。
とは言ってもどちらも投資家心理を基本としたテクニカル分析なので名前は違えど共通する手法もあります。
なので基本的にはプライスアクションよりで説明しますが共通しているものがあれば酒田五法の名称も絡めて解説していきたいと思います。

プライスアクションの種類
プライスアクションは以下の様に相場のシチュエーションによっていくつか種類があります。
- トレンドの継続を示唆するもの
- トレンドの転換を示唆するもの
- 値動きの停滞を示唆するもの
- ダマシを利用したもの
ということで順番に解説していきます。
トレンドの継続を示唆するもの
まずはトレンドの継続を示唆するプライスアクションを解説していきます。
スラストアップ/スラストダウン
スラストアップ

スラストアップと言うのは、直近のローソク足の高値を、次のローソク足の終値が上回って確定したプライスアクションになります。
相場において上昇トレンド中によく見られる形ですね。
スラストという言葉は英語で「力強く押す」とかっていう意味です。
スラストアップが起きると上昇トレンドが継続する可能性が高いので次にまた陽線になる確率が高くなります。
実際の相場(GBP/USDの1時間足)でスラストアップが起きた場面↓

スラストダウン

スラストダウンは、スラストアップの逆で直近のローソク足の安値を、次のローソク足の終値が下回って確定したプライスアクションになります。
相場において下降トレンド中によく見られる形ですね。
スラストダウンが起きると下降トレンドが継続する可能性が高いので次にまた陽線になる確率が高くなります。
実際の相場(GBP/USDの1時間足)でスラストダウンが起きた場面↓

ランウェイアップ/ランウェイダウン
ランウェイアップ

ランウェイアップはそれまでの価格の水準を一段切り上げて上昇していることを確認するためのプライスアクションです。
ランウェイアップを確認するための条件としては以下の2つの条件があります。
- 基準となるローソク足の高値が過去n本分のローソク足の高値を超えている
- 基準となるローソク足の安値を未来n本分のローソク足の安値が下回っていない
上記でn本分のローソク足とありますが、事前にローソク足の本数を決めておく必要があります。
日足の場合は1週間が5営業日ですから通常は5本とすることが一般的です。
ランウェイアップは過去の一定の価格水準から切りあがった後、一定期間の間は元の価格水準に戻らないことを確認します。
上昇トレンド中にランウェイアップが確認できることでトレンドの強さを確認できます。
実際の相場(GBP/USDの1時間足)でランウェイアップが確認できる場面↓

ランウェイダウン

ランウェイダウンはランウェイアップとは逆でそれまでの価格の水準を一段切り下げて下降していることを確認するためのプライスアクションです。
ランウェイダウンを確認するための条件としては以下の2つの条件があります。
- 基準となるローソク足の安値が過去n本分のローソク足の安値を下回っている
- 基準となるローソク足の高値を未来n本分のローソク足の高値が超えていない
ランウェイダウンは過去の一定の価格水準から切り下がった後、一定期間の間は元の価格水準に戻らないことを確認します。
下降トレンド中にランウェイダウンが確認できることでトレンドの強さを確認できます。
実際の相場(GBP/USDの1時間足)でランウェイダウンが確認できる場面↓

トレンドの転換を示唆するもの
次にトレンドの継続を示唆するプライスアクションを解説していきます。
ピンバー
ピンバー

ピンバーはローソク足の実体が極端に短く、ヒゲの部分が長くなる形のプライスアクションです。
日本語では「十字線」、「トンボ」という風に表現されることもあります。

ピンバーが出現すると、そこに強い抵抗体が存在する可能性があります。
ヒゲが長く、実体が短いということは売りと買いが拮抗しているのでそれまでの値動きが停滞してレンジ状態に移行したりトレンドが転換する可能性があります。
特に、高値と安値のヒゲの部分が極端に長かったり、同じ価格水準で頻繁に出現すると強いサインになる傾向があります。
実際の相場(GBP/USDの1時間足)でピンバーが確認できる場面↓

スパイクハイ/スパイクロー
スパイクハイ

スパイクハイはピンバー同様、ヒゲの部分が長く、実体が短いのが特徴ですが特に上ヒゲが長いタイプのものをスパイクハイといいます。
日本語では「トンカチ」、「カラカサ」という言い方もします。
上ヒゲが長いということは高値付近に強い抵抗体が存在し、売り勢の圧力に値動きが押し戻されているような状態です。
ですからスパイクハイの場合、トレンド転換のサインとしてはピンバーよりも若干強くなるので、それまでの上昇が終わり、下落トレンドに転換する可能性が高くなります。
特に高値のヒゲの部分が極端に長く、実体がより下の方で陰線で確定した場合は強いサインになる傾向があります。
実際の相場(GBP/USDの1時間足)でスパイクハイが確認できる場面↓

スパイクロー

スパイクローはピンバー同様、ヒゲの部分が長く、実体が短いのが特徴ですが特に下ヒゲが長いタイプのものをスパイクローといいます。
下ヒゲが長いということは安値付近に強い抵抗体が存在し、買い勢の圧力に値動きが押し戻されているような状態です。
ですからスパイクローの場合、トレンド転換のサインとしてはピンバーよりも若干強くなるので、それまでの下落が終わり、上昇トレンドに転換する可能性が高くなります。
特に安値のヒゲの部分が極端に長く、実体がより上の方で陽線で確定した場合は強いサインになる傾向があります。
実際の相場(GBP/USDの1時間足)でスパイクローが確認できる場面↓

リバーサルハイ/リバーサルロー
リバーサルハイ

リバーサルハイは直前のローソク足の高値を更新したものの、終値が直前のローソク足の実体の下値を下回って確定するプライスアクションになります。
別名、「売りの2バーリバーサル」や「弱気リバーサル」という言い方もします。
上昇中の高値付近で出現することが多いプライスアクションです。
リバーサルハイは単一のローソク足だけでなく、前の足との組み合わせで起こるタイプのプライスアクションです。
ローソク足の組み合わせは前の足が陽線or陰線、その後の足が陰線になります。
相場心理としては一旦買いが入り、上昇するように見えたものの結果的に売り勢に負けてしまったように見えます。
ですからそれまでの上昇トレンドが終わり、下降トレンドに移行する可能性が高くなります。
過去の時間足との組み合わせで見ることからトレンド転換のサインとしては上述した単一のローソク足のプライスアクションより強くなります。
実際の相場(GBP/USDの1時間足)でリバーサルハイが確認できる場面↓

リバーサルロー

リバーサルローは直前のローソク足の安値を更新したものの、終値が直前のローソク足の実体の上値を超えて確定するプライスアクションになります。
別名、「買いの2バーリバーサル」や「強気リバーサル」という言い方もします。
下降中の安値付近で出現することが多いプライスアクションです。
リバーサルローは単一のローソク足だけでなく、前の足との組み合わせで起こるタイプのプライスアクションです。
ローソク足の組み合わせは前の足が陽線or陰線、その後の足が陽線になります。
相場心理としては一旦売りが入り、下落するように見えたものの結果的に買い勢に負けてしまったように見えます。
ですからそれまでの下降トレンドが終わり、上昇トレンドに移行する可能性が高くなります。
過去の時間足との組み合わせで見ることからトレンド転換のサインとしては上述した単一のローソク足のプライスアクションより強くなります。
実際の相場(GBP/USDの1時間足)でリバーサルローが確認できる場面↓

アウトサイドバー
アウトサイドバー

アウトサイドバーは前のローソク足を現在のローソク足がすっぽりと包み込むような状態で確定するプライスアクションになります。
日本語では「包み足(つつみあし)」、「抱き線」という言い方もします。(※正確な定義は多少異なります)
因みに名称としては包み込んだ方の現在の足を「母線」と呼びます。
サポートやレジスタンス付近で出現することが多いプライスアクションです。
アウトサイドバーも単一のローソク足だけでなく、前の足との組み合わせで起こるタイプのプライスアクションです。
ローソク足の組み合わせに縛りはありません。
プライスアクションの種類としてはリバーサルと似ていますがリバーサルの場合は前のローソク足の実体を現在のローソク足の終値が上回る、あるいは下回れば成立します。
それに対してアウトサイドバーは直前のローソク足の実体だけでなく高値や安値にあたるヒゲも上回る、あるいは下回って終値が確定した状態で成立します。
そういう意味ではアウトサイドバーが発生すればリバーサルよりも強力なトレンド転換のサインとなる傾向がりあります。
実際の相場(GBP/USDの15分足)でアウトサイドバーが確認できる場面↓

エンゴルフィングバー
エンゴルフィングバー

エンゴルフィングバーはアウトサイドバーの一種で前のローソク足を現在の足が否定するような形で確定するプライスアクションになります。
サポートやレジスタンス付近で出現することが多いプライスアクションです。
エンゴルフィングバーも単一のローソク足だけでなく、前の足との組み合わせで起こるタイプのプライスアクションです。
但しローソク足の組み合わせに縛りがあり、前の足が陰線なら現在の足が陽線、前の足が陽線なら現在の足が陰線で成立します。
前の足が陰線なら陰線の始値を現在の終値が更新しながら高値も更新、前の足が陽線なら陽線の始値を現在の終値が更新しながら安値も更新すると成立します。
前の足を完全否定しながらすっぽりと包み込むという意味ではエンゴルフィングバーが発生すれば通常のアウトサイドバーよりも強力なトレンド転換のサインとなる傾向があります。
実際の相場(GBP/USDの1時間足)でエンゴルフィングバーが確認できる場面↓

値動きの停滞を示唆するもの
次に値動きの停滞を示唆するプライスアクションを解説していきます。
インサイドバー
インサイドバー

インサイドバーは先ほどのアウトサイドバーとは逆で前のローソク足に現在のローソク足がすっぽりと包み込まれる状態で確定するプライスアクションになります。
日本語では「はらみ足」、という言い方もします。(※正確な定義は多少異なります)
こちらもアウトサイドバーと一緒で名称としては包み込んだ方の過去の足を母線と呼びます。
トレンドが一服し、一旦押し目や戻りを形成するタイミングで出現することが多いです。
インサイドバーも単一のローソク足だけでなく、前の足との組み合わせで起こるタイプのプライスアクションです。
ローソク足の組み合わせに縛りはありません。
インサイドバーは直前のローソク足の高値と安値に現在のローソク足の高値と安値が収まっている、かつ直前のローソク足の実体に現在のローソク足の実体も収まって終値が確定した状態で成立します。
インサイドバーが出現すると一旦値動きが止まり、持ち合い相場に移行する可能性が高くなります。
特に母線が大きければ大きい程、母線の中で値動きが収まる状態が長く続く傾向があります。
実際の相場(GBP/USDの1時間足)でインサイドバーが確認できる場面↓

ダマシを利用したもの
次に相場においてのダマシを利用したプライスアクションを解説していきます。
フォールスブレイクアウト
フォールスブレイクアウト

フォールスブレイクアウトは過去につけた高安値を一旦ブレイクするものの終値が高安値のラインの中に収まってしまうプライスアクションになります。
サポートやレジスタンス付近で出現することが多いプライスアクションです。
相場においては上記の様な動きをよく「ダマシ」と呼んだりします。
なぜそのような言い方をするのかと言うと「ダマシ」と呼ばれる動きは大衆を欺くための機関投資家による仕掛けによるものだと言われているからです。
わかりやすくいうと例えば相場が上昇トレンドを築いていたとします。
そこで強力なレジスタンスラインにぶつかったので機関投資家はそこから売っていきたいと考えます。
ですが売りを仕掛けるならなるべく時間をかけずにすんなりと勢いよく下げてほしいと考えます。
そこでラインがブレイクされるのを待つ、もしくは一度ラインをブレイクさせます。
そうなるとラインをブレイクしたと判断した一般投資家が買いのエントリーをしてきます。
そして買いの損切が作られます。
そこでは売りを狙っている機関投資家は当然動きません。
そうなると一旦ブレイクしたものの買いの動きは続かずに今度は下げてきます。
そこで機関投資家が売りを仕掛けます。
そうすることで一旦ラインをブレイクしたものの終値はラインの中に戻ります。
すると終値を重視するトレーダーがそれを見て売りに追随します。
そうなると先ほど買った買いの損切を巻き込み相場は勢いよく一気に下落します。
こういった機関投資家による損切を利用した仕掛けが「ダマシ」と言われています。
フォールスブレイクアウトはまさに上記の様な相場の特徴を活かしたプライスアクションになります。
ですからフォールスブレイクアウトはトレンドの反転のサインとして使われます。
特に押し戻されたローソク足が上記で説明したトレンド転換のプライスアクションの形になっているとトレンド転換の可能性が高まります。
実際の相場(GBP/USDの1時間足)でフォールスブレイクアウトが確認できる場面↓

フェイクセットアップ
フェイクセットアップ

フェイクセットアップは持ち合い相場の中でのレンジの上限付近や下限付近で出現することが多いプライスアクションです。
レンジの上限や下限のラインを一旦ブレイクするものの終値が高安値のラインの中に収まってしまう動きです。
フェイクセットアップもフォールスブレイクアウト同様相場においての「ダマシ」を利用したプライスアクションになります。
フェイクセットアップが起こると一旦ブレイクした方向とは逆の方向に値動きが加速しやすくなります。
特に押し戻されたローソク足が上記で説明したトレンド転換のプライスアクションの形になっていると一旦ブレイクした方向と逆の方向にブレイクする可能性が高まります。
実際の相場(GBP/USDの1時間足)でフェイクセットアップが確認できる場面↓

以上が代表的なプライスアクションになります。
まとめ
今回は様々なプライスアクションの種類を解説してきました。
プライスアクションは投資家の注目度も高く、テクニカル分析においてかなり強力な武器になるので是非覚えてトレードライフに役立てましょう。
因みに僕は水平線を使ったトレードが主体ですがエントリー根拠にはあるプライスアクションを使用しています。
僕が注目しているプライスアクションはテクニカルポイントにおいて発生するとかなり強力なサインになります。
しかもそのプライスアクションのある傾向に気づいたことで損切が浅く、リワードの高いトレードが実現できています。
因みに逆張りにもトレンドフォローにも使えます。
ということで僕の手法がどんな手法なのか気になる方は以下のリンクから覗いてみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
FX専業トレーダーのけんパパです