

今回はFXをやる上で基本中の基本、ダウ理論の使い方について解説していきたいと思います。
ダウ理論は相場において最もメジャーなテクニカル分析の一つです。
ですがいざダウ理論を使ってチャートを分析しようとしても、
「どこの高値と安値を見ればいいかわからない」
って人が多いと思います。
今回はそんなダウ理論においての波形の見方なんかも交えて説明していきたいと思います。
使い方をマスターすればチャート分析をする上で非常に強力な武器になるのでしっかりと覚えましょう。
- ダウ理論の使い方を覚えたい人
- トレンドフォローを実践してる人
- 相場における群集心理を知りたい人
- 投資初心者の人
目次
ダウ理論とは?
ダウ理論は相場のトレンドを把握するための最も重要な指標です。
恐らくFXをやっている人で聞いたことがない人はいないってぐらい意識されている指標だと思います。
ですが実は人によってダウ理論の捉え方や定義って変わってくると思います。
何故かと言うと若干抽象的な理論だからです。
まぁ大事なのは自分がどんなロジックでトレード手法やルールを確立するかってことだと思いますので捉え方は人それぞれあっていいと思います。
正直ネットで「ダウ理論とは?」みたいな感じで調べれば色々と記事は出てきますので「チャールズダウさんと言う人が提唱して…」みたいなのは省きますw
ですからここでは長年FXをやってきて色々な商材やFX塾を見てきた僕がどのようにダウ理論を使っているか?という実践的な内容も交えて説明していきたいと思います。
ということでまずはダウ理論の基本的なことをおさえておきましょう。
ダウ理論における6つの基本原則とは?
ダウ理論では6つの基本となる原則が唱えられています。
- 価格(平均株価)は全ての事象を織り込む
- トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される
- 主要なトレンドは3つの段階から形成される
- 価格は相互に確認される必要がある
- トレンドは出来高でも確認される必要がある
- トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
上記の全てが重要というわけではないですがとりあえず覚えておいて損はないので順番に説明していきます。
価格(平均株価)は全ての事象を織り込む
株価となってますがFXや仮想通貨などの投資全般に言えることだと思います。
これはどういったことかと言うと
「全ての材料はチャートに反映されている」
ということです。
要するにファンダメンタルなどの材料が原因でレートが動いたとしても結局はチャートに反映されるので
「チャートだけ見てればいいんだよ」
ってことがチャールズダウさんの伝えたいことだと思ってます。
これは僕的には結構重要な考え方でFXを始めたばかりの頃ってあれもこれも取り入れようとするのでテクニカル分析だけすればいいものをどうにかファンダメンタルも取り入れようとしがちです。
ですがファンダメンタルの勉強をするのは絶対に避けた方がいいと思ってます。
なぜなら一般の個人投資家が握れる情報なんてたかが知れてるしファンダメンタル要素でトレードしだすと情報に惑わされて損切できずにポジションを塩漬けしてしまうことになります。
最悪ナンピンなんてことにもなりえます。
ですから僕ら個人投資家はファンダメンタル要素でトレードするのは危険ですし、結局全てチャートに反映されるのだからチャートを見てトレードするのが安全で効率的だと思います。
そういう意味でこちらの原則は大事なのでしっかりと覚えておきましょう。
トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される
ダウ理論ではトレンドは以下の3つの期間に分類されます。
短期トレンド:3週間未満
中期トレンド:通常3週間~3か月
長期トレンド:通常1年~数年間
まぁそのまま受け取ると「だから?」って内容なんですがこれをどういうふうに解釈すればいいかと言うと要するにマルチタイムフレームで相場分析をしましょうね、ってことです。
例えば短期的に上昇トレンドが起きていたとしても中長期的には下降トレンドの中の調整局面だったりします。

この場合、短期の時間軸のトレンドをだけを見てトレードしていると値動きが汚かったり急に反転したりするリスクが高くなります。
ですからトレンドフォローを行う場合はトレードする時間軸だけを見るのではなく、様々な時間軸のトレンドを把握しておくことによってそのトレンドの信用性やリスクなどを判断することが大事になってきます。
主要なトレンドは3つの段階から形成される
これは投資家の動向によってトレンドは3つの段階があるということです。

①先行期(初期)は価格が底値にある状態で積極的な投資家が買いを入れていく段階です。
通常はこの段階だとまだまだ下落基調だと判断される状態なので一般の投資家が参加するのは難しいと言われています。
②追随期(中期)は先行期の動きを見た投資家が参加し始める時期です。
トレンドフォローを行うトレーダーはここで参加することができれば成功です。
③利食い期(後期)は行動の遅い投資家がトレンドの終盤になって参加してくる時期でこの時になると先行期や追随期で参加していた投資家は利食いを行うのでここで参加してしまうと天井を掴まされてしまいます。
ということで上記の3つの段階で一番大事なのは②の追随期です。
個人的にはトレンドフォローの場合、実際はマルチタイムフレーム分析を使って①の先行期を予測する必要性もあると思っています。
テクニカル的に見て①の先行期にしっかりとした根拠があれば追随期でエントリーするのがベストだと思っています。
但し相場の状況によりこの限りではありません。
具体的には上位足の先行期や追随期を見抜いて下位足の先行期でエントリーすることもありますしその他のテクニカル指標と併せて利食い期でエントリーしていくこともあるのでその時の相場の状況によって判断するのがベストだと思っています。
価格は相互に確認される必要がある
これは基本的に株式市場を想定した理論だとは思いますが例えば工業平均株価と鉄道平均株価のように相関性のあるものに関しては相互に連動した動きがないとトレンドとはみなさないという考えです。
これをFXに置き換えるとドルが相対的に売られている場合、ドル円は下落するがユーロドルは上昇する、というような相関関係に置き換えて考えることができます。
このように互いに相関関係のある通貨ペアなどの動きを把握することで発生したトレンドの信用性を確認することができます。
トレンドは出来高でも確認される必要がある
これも株式相場になぞらえて説明します。
出来高とは何かというとある一定の期間中に成立した売買の数量のことです。
株式相場の場合はマーケット規模の関係などから出来高が明示されているので出来高を伴ったトレンドが信用できるトレンドということになります。
ですが為替相場ではマーケットの規模からみて全ての出来高を把握することはできません。
ですからFXにおいては出来高をオシレーターに置き換えて考えます。
例えば上昇トレンドが起きている場合はオシレーターもそれに伴って上昇していればそのトレンドは信用できるトレンドだということになります。
逆に価格は上昇しているのにオシレータが伴っていない場合はダイバージェンスと言ってこのタイミングで手仕舞いする投資家が多いのでFXにおいては出来高はオシレーターに置き換えて認識しておくといいと思います。
トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
これも当たり前っちゃ当たり前なんですが6つの基本原則の中では一番大事な原則だと思います。
ですが…
そもそも明確な転換シグナルというのはトレーダーによって少し変わってきます。
一般的には以下の2パターンがトレンドの転換だと捉えられています。

まぁどちらも結局トレーダーの捉え方次第だと思います。
画像左の状態はまだトレンドが終わっていない横ばい状態だ、と主張するトレーダーもいますし早く仕掛けたい人は画像左の状態ででショート目線に切り替える人もいると思います。
そもそもローソク足で言えば終値を重視するトレーダーもいればヒゲを意識するトレーダーもいるのでそうなってくると全然見方が変わってきます。
結局ダウ理論は抽象的な理論なので大事なのはチャートの見方は様々な見方があってそれを知った上で自分だったらどのように定義付けてトレードしていくか?ってことです。
要は「明確な転換シグナル」とあるように上記を参考にして自分の中での明確な転換シグナルを決めることによって迷いのないトレードが出来ると思います。
ダウ理論の使い方
では実際の相場でダウ理論をどのようにして使えばいいのかを説明します。
実際にダウ理論を駆使してテクニカル分析をする場合主に使用する基本原則は以下の2つです。
- ③主要なトレンドは3つの段階から形成される
- ⑥トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
上記の2つの原則をどのように使うかというとダウ理論だけで言えば、
「明確な転換シグナルが出たら追随期でエントリー」
になります。
とりあえずダウ理論ではこれが肝になってきます。
但し、実際はダウ理論だけ覚えてチャートを見てもはっきり言って使えません。
冒頭でもお伝えしましたが、
「どこの高値と安値を見ればいいかわからない」
って言う人もいると思いますのでその辺をお伝えしていきたいと思います。
ダウ理論のデメリット
ダウ理論は正直言って初心者の方にとっては若干使いづらい指標ではあります。
その理由の一つが波形のサイズにあります。
例えば下記の画像を見てください。

恐らくほとんどの方が上記の画像の様にローソク足を使っている人が多いと思いますが見た感じ上昇トレンドが形成されているように見えますね?
但し波形のサイズが一つ一つ違うので問題はこの中で「どこの山谷を高値と安値にするか」です。
まずはそれを定義付けできないと話になりません。
ということで上記の様なダウ理論のデメリットを解消するための方法をお伝えします。
波形の山谷を定義づける方法
まず、FXにおいて大事なのは自分の中でしっかりとした定義付けをすることだということははお伝えしましたね?
それはダウ理論においても同じです。
ダウ理論ではどこの山谷を高値安値と見るかを定義づけることがまず大事です。
そのための方法として以下の様な方法があります。
- ローソク足の本数で決めてしまう
- 水平ラインのレジサポで決める
- インジケーターを使用する
- 直感を駆使するw
順番に説明していきます。
ローソク足の本数で決めてしまう
これは山谷の基準を「ローソク足の本数」で決める方法です。
例えば押し安値であれば陰線が3本以上、とか戻り高値であれば陽線が3本以上、みたいな感じです。

こうすることでそれ以下の本数のローソク足の場合は山谷とみなさないので波が明確になると思います。
デメリットはローソク足の数を数えるのが若干面倒なとこですねw
水平ラインのレジサポで決める
チャートに水平ラインを引いて「レジサポの反転があった場合のみ山谷とみなす方法」です。

通常トレンドが強い場合、レジサポの反転を繰り返しながら波を形成していくことがよくあります。
例えば上昇の場合、高値が更新されるとブレイクを確認した後にその高値付近を意識してN字反転を狙ってエントリーするトレーダーがたくさんいます。

要するに上記の様にトレーダーに意識されているポイントを山谷とみなすことで有効な高値と安値になります。
インジケーターを使用する
こちらは最も簡単な方法ですね。
「山谷を見やすくしてくれるインジケーターを導入」します。
例えば代表的なのは平均足ですね。
平均足はローソク足の「始値・終値・高値・安値」の四本値をそれぞれ平均して値動きに連続性を持たせたインジケーターです。
以下はMT4で平均足を表示させる前の画像と表示させた後の画像です。
表示させる前
表示させた後
山谷がわかりやすくなりましたね。
このようにインジケーターで視覚的に相場の波をわかりやすくして山谷を判断します。
上記は一例ですがまだまだ山谷を見やすくしてくれるインジケーターは他にもたくさんあります。
因みに無料でインジケーターを作成して公開している人もいるのでネットで探してみてください。
直感を駆使するw
こちらは中級者向けですねw
直感と言っても何年もダウ理論を意識しながら相場を見ているとなんとなく意識されそうな波形のサイズがわかるようになってきます。
とは言ってもFXにおいてはロジックやルールを確立する上で明確な定義付けがあった方がメンタル的にもいいですしトレードも楽です。
ですから初心者の方は色々なテクニカル手法やインジケーターなどを交えて自分なりの見方を確立していった方がいいと思います。
まとめ
今回はダウ理論について記事にしてみました。
FXの環境認識においてダウ理論は非常に有効な手段となります。
とは言ってもダウ理論を使って相場を分析しようとしても最初は慣れが必要だと思います。
初めは大変だと思いますがダウ理論で相場の流れがわかるとトレンドフォローにおいてはかなり有利になるのでこちらの記事が参考になれば幸いです。

FX専業トレーダーのけんパパです